
現在入手可能なRaspberry Piシリーズには、大きく5つのモデルがあります。各モデルの仕様や特徴から、利用用途に応じ最適なモデルを選択し、そのモデルで必要な周辺機器を用意しましょう。
目次
Raspberry Piのボード構成を把握する
「Raspberry Pi」は、PCとしての基本機能を備えた、手のひらサイズのシングルボード・コンピュータです。
2016年3月に登場した「Raspberry Pi 3 Model B」には(「図1 Raspberry Pi 3 Model Bのボード構成」を参照)、①1.2GHz動作の4コアCPU、②ディスプレイに接続するためのフルサイズHDMIポート、③USB2.0ポート4つ、④有線ネットワークに接続するためのLAN端子、⑤音声出力とコンポジットビデオ出力を兼ねたステレオミニプラグ、⑥センサやモータなどを制御する汎用入出力(GPIO)端子、⑦カメラインタフェーススロット、⑧ディスプレイインタフェーススロット、⑨micro SDカードスロットや⑩電源用microUSB端子が備わっています。また、Raspberry Pi 3では新たに⑪無線LAN/Bluetoothの機能が追加されました。
Raspberry Piの最適なモデルを選択する
現在入手可能なRaspberry Piシリーズには、大きく5つのモデルがあります。(「表1Raspberry Piシリースの各モデルと主な仕様」を参照)
表1 Raspberry Piシリーズの各モデルと主な仕様
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「Raspberry Pi 3 Model B」は、機能的にも性能的にも、デスクトップPCからサーバ、電子工作と、全ての利用に適しています。これからRaspberry Piで電子工作を始める方は、「Raspberry Pi 3 Model B」がお勧めです。
「Raspberry Pi 2 Model B」は、一世代前のモデルで、多機能なサーバや電子工作を試したい方にお勧めです。
「Raspberry Pi Model B+」は、単機能のサーバや電子工作を試したい方にお勧めです。
「Raspberry Pi Model A+」は、手軽に小さな工作物を作りたい方にお勧めです。
「Raspberry Pi Zero W」は、とにかく工作物の寸法を小さく収めたい方向けです。
Raspberry Piに必要な周辺機器を揃える
購入する本体を決めたら、Raspberry Piを動作させるのに必要な周辺機器を揃えます。(「図2 Raspberry Piに必要な周辺機器」を参照)
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図2 Raspberry Piに必要な周辺機器
まず、Raspberry Piを動作させるのに常に必要となる①micro USB ACアダプタです。「Raspberry Pi 3 Model B」を使用する場合は、5V 2.5A容量の製品が必要です。
また、常に必要となるのが②micro SDメモリカードです。OSのインストールに8MByte以上を必要とします。その他パッケージのインストールやファイルの保存などを考慮し、必要な容量のSDHC class10のmicro SDカードを用意します。
③専用ケースはなくても動作しますが、配線ショートなどによる破損を防ぐため、ケースは用意しておいたほうが望ましいです。
なお、④USBキーボード/マウス、HDMIケーブルは、OSのインストール(OSのインストールはPCで行います)後の環境セットアップで使用します。ネットワーク環境のセットアップが済めば、PCからRaspberry PiへSSHやリモートデスクトップ接続できますので、Raspberry Pi専用に用意する必要はなく、PC用に持っていればそれを流用した方が良いでしょう。
Raspberry Piでプログラミングや電子工作実験をすぐに始めたいという方には、本体およびOSがインストールされたmicroSDカード、その他必要な周辺機器を一式揃えた「Raspberry Pi 3 スタータキット」も販売されています。
次回は、「Raspberry Pi 入門 (2) Raspbianをインストールする」で、Raspberry PiにOS「Raspbian」をインストールしていきます。