
AtomエディタのRemote-FTPパッケージを使用し、PCのローカル環境でリモト環境のファイルを編集できるようにします。Remote-FTPの環境設定とその使い方を解説します。
目次
Remote-FTPパッケージをインストールする
AtomエディタにまだRemote-FTPをインストールしてない場合は、Remote-FTPパッケージ「https://atom.io/packages/Remote-FTP」をインストールします。
Atomエディタのパッケージインストール方法については、「Atomエディタを使ってみよう! Atomエディタをインストールし環境設定する」の記事を参照してください。
プロジェクトを追加する
ここでは、これからプログラム等を格納するためのディレクトリ「SampleProject」をPCのローカル環境とリモトーのサーバに作成し、Atomエディタのプロジェクトとして登録します。
- 「Welcome Guide」タブの「Open a Project」ボタンをクリックするか、「ファイル」メニューの「プロジェクトフォルダを追加」を選択します。
- 予め作成しておいた、ローカルPCのフォルダ「SampleProject」を選択します。
- Atomエディタのツリービューに、登録したプロジェクト「SampleProject」が表示されます。
Remote-FTPの環境設定ファイルを作成する
リーモートサーバへ接続するためのRemote-FTPの設定ファイル「.ftpconfig」を作成します。
- 「パッケージ」メニューの「Remote-FTP」「Create FTP config file」を選択します。
- 「.ftpconfig」ファイルのテンプレートが表示されます。
各自のFTP接続のリモート環境に合わせ「.ftpconfig」のパラメータを指定してください。
{ “protocol”: “ftp”, “host”: “192.168.179.10”, “port”: 21, “user”: “pi”, “pass”: “”, “promptForPass”: true, “remote”: “/home/pi/SampleProject”, “local”: “D:/SampleProject”, “secure”: false, “secureOptions”: null, “connTimeout”: 10000, “pasvTimeout”: 10000, “keepalive”: 10000, “watch”: [], “watchTimeout”: 500 } |
ここでは、パラメータに以下を指定しています。
- protocol:”ftp” FTPプロトコル名
- host:”192.168.179.10″ FTPサーバのIPアドレス(デフォルトは”localhost”)
- port:21 FTPのポート番号(デフォルトは21)
- user:”Pi” ログインユーザ名(デフォルトは”anonymous”)
- pass:”” ログインユーサ名のパスフレーズ(デフォルトは”anonymous@”)
- promptForPass:true ログイン時にパスフレーズ入力画面を表示する(デフォルトはfalse)
- remote:”/home/pi/SampleProject” リモートログイン時のカレントディレクトリ
- local:”D:/SampleProject” ローカルのプロジェクトディレクトリ(デフォルトはfalse)
- secure:false 暗号化を使用しない(デフォルトはfalse)
- secureOptions:null 暗号化のオプションはなし(デッフォルトはnull)
- connTimeout:10000 接続のタイムアウト時間(ミリ秒)(デフォルトは10000)
- pasvTimeout:10000 パッシブモード接続のタイムアウト時間(ミリ秒)(デフォルトは10000)
- keepalive:10000 キープアライブのタイムアウト時間(ミリ秒)(デフォルトは10000)
- watch:[] 監視するグローバルパスのパラメータ
- watchTimeout:500 監視のタイムアウト時間(ミリ秒)
パラメータの詳細は「https://atom.io/packages/Remote-FTP」を参照してください。
- 修正した「.ftpconfig」ファイルを保存します。
- プロジェクトフォルダ「SampleProject」の配下に「.ftpconfig」ファイルが作成されます。
リモート環境へ接続する
FTPでリモート環境へ接続します。
- 「パッケージ」メニューの「Remote-FTP」「Toggle」を選択します。
- 操作パネルが表示されるので、「Connect」ボタンをクリックします。
- リモート環境へ接続すると、操作パネルが切り替わり、リモート環境のカレントディレクトリ(ここでは「/home/pi/SampleProject」)が表示されます。
このように、ローカル環境のプロジェクトとリモート環境のカレントパスを対応つけることにより、誤って他のディレクトリやファイルにアクセスすることを防ぎます。
ファイルを作成しアップロードする
これから、新規にファイルを作成し、リモート環境へファイルをアップロードします。
- プロジェクトフォルダ「SampleProject」を右クリックして、メニューから「新規ファイル」を選択します。
- 新規に作成するファイル名(ここでは「readme.txt」)を入力します。
- ファイル「readme.txt」を編集し、保存します。
- プロジェクトディレクトリ「SampleProject」を右クリックし、メニューから「Upload」を選択します。
- 新規に作成したファイルがアップロードされ、リモート環境のツリービューに表示されます。
ターミナルでリモート環境へ接続し、ファイルがアップロードされているか確認してみましょう。
新規に作成したファイルが、リモート環境にアップロードされているのが確認できます。
「upload」と「sync local->remote」の違い
「upload」はプロジェクト配下のファイル全てをリモート環境へアップロードします。「sync local->remote」はローカル環境とリモート環境でファイルの同期を取ります。
「sync local->remote」はローカル環境とリモート環境で差があるファイルのみをアップロードします。一部のファイルのみ更新した場合は、「upload」に比べ「sync local->remote」の方がアップロード時間が短縮できます。
ではいつも「sync local->remote」を使えばいいのでは?と思うかもしれませんが、それがそうでもないのです。
「sync local->remore」はどのように差分を検出しているかというと、ローカル環境とリモート環境でファイルサイズが違うものを検出し、そのファイルをアップロードしています。
もうお気付きかもしれませんが、同じファイルサイズであれば内容が変更されていてもアップロードされないのです。ですので「sync local->remote」を使うときはそのことを意識し、問題ないことが確実である場合にのみ使用するようにしましょう。